アリパラ実験室「どの塗料が色移りしやすいか検証してみました」

お世話になっております。アリスパラノイア・スタジオのユキムラモロカズです。

今回のアリパラ実験室は、撮影実験ではなく、塗料の実験です。

アリパラでは、「ペンキが付いた、つなぎでの集合写真」の撮影にて、ご予約・お問い合わせ、を頂く事がございます。

その際、下記の2点をお願いしております。

①衣装・小物は事前に塗装を行い、完全乾燥の上でのお持ち込み頂く事
②乾燥後も周囲を汚す塗料は使わない事

具体的な塗料に関しては、個々のお客様とのご相談の中で、こちらからもアドバイスさせて頂いておりました。

その内容を、ブログにまとめておけば、お客様にとって便利かと考え、今回、検証実験を行った上で、記事にしてみました。当スタジオで、上記の撮影をご希望の際は、是非、この記事をご参考に、ご準備をお願いいたします。

さて、まずは大前提のお話です。

■汚れはどうやって広がるのか

①塗装面が触れて色が転移する
②塗装面に触れた手が様々な場所に色を拡げる
③剥がれた塗装が床にこぼれ、靴を介して拡がる
④床や壁に塗装面が強く擦り付けられ転移する

④に関しては、どんな塗装でも起こりうる事ですが、①〜③は、塗料の種類を選ぶ事で、かなり回避できます。

■色移りしやすさの見分け方
・乾燥後、ティッシュで軽く擦ってみてください。ティッシュに色が移る場合は、確実に、まわりを汚します。
・そのような状態の衣装・小物のお持込・ご使用は、為さらないようにお願いします。

■つなぎ等衣料に塗装する際の部位について
・どの塗料を使った場合も、強く擦った場合などは、色移りが発生します。
・必要のない限り、背面・膝など、壁・床・椅子などに接する可能性が高い箇所は塗装をしない方が安全です。


さて、以下は検証実験について、です。

【塗料】
・水彩絵具・ポスターカラー
・プラモデル用の水溶性アクリル塗料
・プラモデル用の(アクリル)ラッカー塗料
・水性ペンキ
・アクリル絵具
・染料
(←正確には塗料ではありませんが)

【実験方法】
メリヤス生地に5cm×5cmの塗料を塗り、乾燥後、白ペンキを塗った木材に擦り付ける。

水彩絵具・ポスターカラー:×
水彩絵具 摩擦堅牢_水彩絵具
ポスターカラー 摩擦堅牢_ポスターカラー
・触れただけで、簡単に色移りします。
・崩れ易く、簡単に床にこぼれます。かつ、靴などを介し、広範囲に拡がり易いです。
・水彩絵具・ポスターカラーで塗装された衣料・小物は、スタジオへのお持ち込みにならないようにお願いします。

プラモデル用の水溶性アクリル塗料:×
水性ホビーカラー 摩擦堅牢_水性ホビー
・「水性ホビーカラー」という銘柄で検証してみました。
・後述のラッカー塗料と似て非ざる塗料で、塗膜の形成が弱く、摩擦により、色移りします。
・水彩絵具・ポスターカラー程ではありませんが、使わない方が安全な塗料です。

プラモデル用の(アクリル)ラッカー塗料
ミスターカラー 摩擦堅牢_Mrカラー
・「Mr.COLOR」という銘柄で検証してみました。(ちなみに、ラッカースプレーも同成分です。)
・うっすらと写っている程度で、色移りは極少です。今回、一番、塗装が安定していました。
・塗膜が硬化しているので、塗装が剥がれ落ちても、水彩絵具などのように拡がったりはしません。
・ただ、生地に浸透しますので、「ペンキが付着した、つなぎ」という風合いからは、外れてしまいます。
・勿論、本来の用途である、スチロール樹脂などの固形物の塗装であれば、これが一番安定してます。
 (クリアで上塗りすると、更に安全かと)

水性ペンキ
水性ペンキ 摩擦堅牢_ペンキ
・上記の銘柄を使いましたが、他の水性ペンキもそれほど違いはないと思います。
・手で触れただけで色が移るなどはありませんが、摩擦で、やや色移りは起きました。
・勿論、木製品の塗装など、本来の目的であれば、ペンキが安全と思います。

アクリル絵具
アクリル絵具(GOLDEN) アクリル絵具(holbein) 摩擦堅牢_アクリル絵具
・「GOLDEN ACRYLICS」と「holbein ACRYLIC」の2銘柄で検証してみました。
・ペンキ同様に、摩擦により、若干、色移りは起きます。
・乾燥後、塗料が樹脂状に硬化していますので、塗装が剥がれて落ちる心配などは少ないです。

染料
染めQ 摩擦堅牢_染めQ
・「染めQ」を使って検証してみました。
・濃色である事、洗濯をしてない事もあり、摩擦で、やや色移りしました。
・生地の染色は、素材と染料のマッチングと正しい工程でかなり安定します。
・生地を広範囲で染める場合などは、上記を守った上であれば、染料が一番安全です。
・ただし、後処理工程(洗濯等)が不十分だったり、濃色だったりすると、色移りしますので要注意です。

以上、検証テストの結果でした。

勿論、塗装する素材と塗料の種類・銘柄によっても、結果は異なります。上記実験はあくまで目安といて、参考程度とお考えください。最終的には、ティッシュを使った摩擦テストを行って頂く事を、オススメいたします。


さて、上記の結果を踏まえ、アリスパラノイア・スタジオで、「ペンキのついた、つなぎでの集合写真」を撮影する際のご注意点を以下にご説明させて頂きます。

つなぎ撮影の際のご注意点
・予約時に必ず撮影内容をお知らせください。
・水彩絵具・ポスターカラーなどは使用不可。
つなぎ:ペンキorアクリル絵具で塗装。背面・膝など、壁・床に接する可能性がある部分には必要がない限り塗らない。
はけ・バケツなどの小物:ペンキorアクリル絵具で塗装。
(壁に貼り付けペンキを再現):裏写りしない厚手の紙。アクリル絵具で塗装。設置後、念の為に手を洗う。
・ティッシュで使った摩擦テストを行い、色移りしない事を事前確認。
・完全乾燥でお持ち込み。スタジオ内での塗装は不可。

※今回、実験した中から塗料を紹介させて頂いていますが、同等の強さがあるモノであれば、問題ありません。


以上です。


こちらで思いつく、一般的な塗料で試してみましたが、この他にも、コスプレ衣装・小物でよく使用される塗料があれば、是非、お知らせください。(「ペンキが付いた、つなぎでの集合写真」という内容に限らず。)追加で検証実験いたします。


何卒よろしくお願いします。
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ユキムラモロカズ

Author:ユキムラモロカズ
アリスパラノイア・スタジオとカメラマン・ユキムラモロカズの活動をお伝えするブログです。


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